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お金をばらまく社会保障は、国民を本当に「幸福」にするの?

2016.03.25

山本 慈

山本 慈

HS政経塾 第6期生

増え続ける社会保障費。その要因は年金だけではない。

いつになっても話題となる社会保障。
少子高齢化に伴い、年度予算における社会保障費の割合も大きくなっています。

みなさん、ご存じでしたか?社会保障費増加の原因は年金だけではないことを。
少子高齢化と聞けば、年金負担が増えると思いがちです。

確かに、社会保障給付費のうち、年金給付の占める額は一番大きいのですが、増えるスピードを見てみると、実は、年金給付よりも、医療費、福祉費のほうが増加傾向です。

参照:国税庁「歳出~社会保障関係費~」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/gakushu/hatten/page04.htm

 

安心を与える社会保障が、今は不安要素になっている・・・

社会保障があることで、万が一の事態に陥った時、国の援助を受けられたり、また高齢者も年金によって生活を行え、健康で文化的な最低限度の生活を営めるようになっています。
この意味では、国民に安心を与えています。

しかし、一方で社会保障費の増大により、「将来もらえるの?」と、若者への給付費負担や将来への不安も大きくなっています。

 

「働けるならいつまでも働きたい」―、そう思う高齢者は多い

そんな中、高齢社会対策に関する調査で、平成26年度に内閣府が、「高齢者の日常生活に関する意識調査」を行いました。

「何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか」という質問では、「働けるうちはいつまでも」28.9%が最も高い結果でした。ちなみに、「65歳くらいまで」、「70歳くらいまで」はともに16.6%でした。

参考:平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果(内閣府)
http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h26/sougou/zentai/index.html

 

平均寿命も伸びている

また、国民年金がはじまった1961年と2014年の平均寿命を比較すると、15歳近く、男女ともに伸びています。

1961年と2014年の比較

  • 男性の平均寿命
    66.03歳  80.50歳
  • 女性の平均寿命
    70.79歳  86.83歳

 

新しい発想の社会保障制度が必要では?

働けるならいつまでも働きたいと思う高齢者は多く、平均寿命も伸びています。
やはり、今の状況に合った、何らかのイノベーションが必要だと思います。

その方向性として、
自助努力の精神を大切に、生きがいをもって自由闊達に生活する人をサポートするシステムへの移行を検討するべきではないでしょうか。

 

“自律”しているスウェーデンの福祉事情。

社会保障が充実していると言われるスウェーデンでは、介護時、高齢者の意思が尊重され、自由闊達な生きがいのある人生を歩んでもらえる制度を整えているようです。

 

付き添いが必須の高齢者への対応は?

付き添いが必須の高齢者が「一人で散歩に行きたい」と望めば、それを尊重しGPS機能の器具を持って、自己責任の下、自由に出かけられるようになっています。

 

介護援助の事例

また介護援助においては、自助努力があってこそという前提で行われています。
例えば食事の際、介護士が食事介助を進んで行うのではなく、まず徹底的に嚥下(えんげ)訓練を行います。

そして自身で食事をとれなくなった場合は、無理に胃ろうや、静脈栄養を行わず、自然な形で看取ることとなっています。

医療による延命ではなく、自然のままにすることが「本人が人間らしく最後まで生き抜ける」という国民意識があるようです。

 

比較して学べること

スウェーデンが幸福度ランキング上位にあることについても賛否両論あり、日本とスウェーデンは国柄も違うので一概に比較することはできません。

ただ、少なくとも高齢者本人が“自律する”という意識が浸透しているようです。

 

バラマキ政策ではなく、人間を尊重する制度整備を。

日本だけでなく世界中でも、社会保障政策は大きな課題です。
ただ社会保障としてバラマキ政策を行うのではなく、人間が人間らしく尊重される制度を整えていく必要があるでしょう。

お金をばら撒くだけでは、国民を本当の幸福に導くことはできないと思います。

人生を終えるその時に、“生きていてよかった”と思えるような精神的なバックボーンをもった社会保障政策が必要なのではないでしょうか。

働きたい人は、生きがいをもって働ける「生涯現役社会」は、その重要な一歩に繋がるのではないでしょうか。

 

参考:幸福実現党の社会保障政策
http://hr-party.jp/policy/social-security/

写真著作者:Vanessa Kay(二次配布禁止)
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