香港探訪記 五日目(最終日)最後に振り返る、香港の旅~「自由」って?「革命」って?

2016.05.22

坂爪 祐貴

坂爪 祐貴

早稲田大学3年生

香港の旅もいよいよ最終日を迎えた。この日は午前中のインタビュー後すぐ、帰路に着いた。インタビューをまとめたのち、五日間を振り返ってみたいと思う。

 

映画「十年」

映画「十年」をご存じだろうか?この映画は、中国共産党に支配された香港の十年後を描いた5本の短編からなるオムニバス形式の作品。作品中では、焼身自殺で政府に抗議する女性の姿や、狂信的な中国共産党支持者に襲撃されるエピソードなどが描かれている。

自主制作で、広告を打たなかったにもかかわらずその話題性から口コミでひろまりヒットし、先月「香港のアカデミー賞」と呼ばれる香港電影金像奨で最優秀作品賞を受賞した。


五日間にわたる香港の旅の最後にインタビューしたのは、同作のプロデューサー蔡廉明(アンドリュー・チョイ)さんと、各短編を監督された郭臻(クォック・ジョン)さん、黄飛鵬(ウォン・フェイパン)さん、周冠威(キウィ・チョウ)さん、伍嘉良(ン・ガーリョン)さん、歐文傑(ジェヴォンズ・アウ)さんら六人。

(映画「十年」制作メンバーのみなさん)

インタビューでは、映画作成中に、様々な困難があったことを語ってくれた。中国共産党を批判する映画であるため出たがらない俳優の方もおり、キャスティングに苦労があったという。また撮影先で撮影させてもらえないこともあったとのことだった。

上映に際しても、多くの来場者が見込まれたにもかかわらず、映画館での上映がされなくなる事態もあった。

様々な逆境があったにもかかわらず、同作がヒットを飛ばし大きな賞を手にしたということは、香港の自由がなくなりつつある現状に対する香港市民の「民意」を表していると言えるだろう。

(映画「十年」上映会の様子)

 

五日間の旅を振り返って

インタビューを終え、日本に帰る飛行機の中で五日間の旅を振り返った。
大変稚拙な文章でお届けする形になってしまったが、読んでいる方々はどう感じてくださっただろうか?

自分自身としては、今回の香港の旅は、初の取材経験ということもあり、非常に大きな経験だった。
香港の旅を通して最も大きな学びは「自由の革命」の一端を肌で感じることができた点だ。

 

「革命」って?香港で感じたこと。

香港から始まろうとしている「革命」は、単なる「壊す」ための革命とは違う。
彼らは自分の欲望がかなえられないから、政治運動という形で社会に声を上げているわけではない。

彼らの敵は中国共産党という全体主義政府であり、全体主義の下では自由が失われる。それにいち早く気づいた人々が自由を取り戻すため起こしたのが雨傘革命だった。

中国共産党幹部のスキャンダルなどを描いた「発禁本」を扱っていた「銅鑼湾書店」が、昨年からこの書店の関係者5人が中国本土で行方不明となる事件が起きている。
香港での「自由」がどうなるか、大きな分岐点にある。

(オープン時の「銅鑼湾書店」)

(閉店した「銅鑼湾書店」)

(書店関係者の失踪を報じる新聞記事)

 

「自由」って?香港で教えてもらったこと。

「自由」という言葉をどう実現するかは、学問の世界で様々に議論されてきた問題でもある。自分はそのすべてを知っているわけではない。

しかし、人々が天来持っている個性や才能を発揮し、自由な繁栄を築ける社会が「健全な社会」であることぐらいはわかる。

「自由」を考えていくなかで、旅の途中で何回も「ハイエク」の名前に出会った。

香港の地で、理性主義を批判し「自由」の大切さを訴えたハイエクの思想と、逆に一党独裁で全体主義的な統治を行う中国共産党とがにらみあっている。
香港で動こうとしている革命は、自由を勝ち取るための革命――、まさに「自由の革命」ではないかと思った。

 

これからが大事

本当に密度の濃い五日間だった。

(二日目に対談した周庭(アグネス・チョー)さん)

雨傘革命の学生リーダー、周庭さんは、香港を変えるために、多くのアジアの国同士でつながっていきたいと言っていた。

(三日目に訪問した香港大学)

香港大学に行った際、学生に言われた「投票は権利であると同時に義務であり、責任が伴うもの」という言葉も心に残っている。

香港の旅を契機に、もう一段「自由」の思想を深く学びつつ、「自由のある国」日本の若者の一人として、政治を考え、行動し、日本からアジア、そして世界に貢献していきたい。

最後に、香港の「自由の革命」が人々を幸福にしていく形で成就していくことを祈りつつ、今回の取材を助けてくださったたくさんの方々に感謝を捧げ、「香港探訪記」を締めくくりたいと思う。

ありがとうございました!

 

これまでの記事

「僕が香港に飛ぶ理由」
http://truthyouth.jp/2016/152/

香港探訪記 一日目 「初めて見る、香港の街」
http://truthyouth.jp/2016/163/

香港探訪記 二日目 「初めて会う、革命のリーダーたち」
http://truthyouth.jp/2016/174/

香港探訪記 三日目 「あらためて考える『自由』って何だろう?」
http://truthyouth.jp/2016/181/

香港探訪記 四日目 「あらためて目を向ける『現実』」
http://truthyouth.jp/2016/193/

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