日本でタブー視される“移民問題”について考えてみた!

日本でタブー視される“移民問題”について考えてみた!

2016.02.04

窪田 真人

窪田 真人

HS政経塾 第4期生

移民政策に対する安倍首相のまさかの発言!

「安倍政権は、いわゆる移民政策をとることは考えていません!」

これは2015年10月1日の衆議院本会議における、次世代の党の平沼赳夫党首(当時)の代表質問に対する安倍首相の発言です。

安倍首相のこの発言、皆さん大変驚くのではないでしょうか?
なぜなら、安倍首相が積極的に実現しようとしている、外国人労働者の受け入れ拡大(=移民政策)を、本人自ら真っ向から否定しているからです。

 

タブー視される移民政策

ではなぜ安倍首相はこのような発言をしたのでしょうか?

それは日本国内において移民問題がタブーとなっているからです。

移民問題に言及すると左派、右派関わらず国民から猛反発を受け、選挙に勝てないし、支持率も低下すると考えられます。

これまでどの政府も積極的に手を付けられていないのがこの“移民問題”なのです。
 

日本人が移民に抱くネガティブなイメージ・・・

確かに多くの日本人は移民に対してネガティブなイメージを強く持っています。

例として、ジェイ・キャストが運営する「J-CAST会社ウォッチ」で2012年2月13日から3月8日までの間で行われた「日本への移民受け入れ」についてのアンケート調査では、断固反対・あまり受け入れたくないが67.8%を占めました(全投票数1594票)。

移民に対するネガティブなイメージの根本となっているのは、「移民を受け入れること=犯罪率の増加」というイメージが成立しているからでしょう。
 

ネガティブなイメージを与える欧米での事例

2015年の夏以降、シリア難民問題が大きな問題となり欧米諸国において難民の受け入れが進められました。

そうした中、11月にはパリ同時多発テロの発生、また12月にはドイツのケルンにおいて亡命申請者による集団性的暴行事件の発生など、移民問題に関わる事件が相次ぎ報道されています。
日本において移民に対する目は厳しくなるばかりです。
 

あれ!?ネガティブなイメージと反対の事実

しかし在日外国人検挙件数の年間推移を見ると、犯罪件数は2004年に4万7128件あったのが、2013年には1万5419件まで減少しています。人数で見ても、2004年は2万1842人だったのが、2013年には9884人と大幅に減少しています。

つまり在日外国人の数は年々増えているにも関わらず、犯罪件数は減っているのです。
この事例は移民を受け入れることが犯罪率の増加に直接的に繋がる訳ではなく、工夫次第で防ぐことができることを示唆しています。

 

移民による犯罪を防ぐための工夫とは?

ではどうすれば移民による犯罪を防ぐことができるのでしょうか。
過去の欧米における移民政策の問題点を研究すると、多くの場合以下の①→②→③のステップが、
失業率の増加、生活保護受給率の増加、また犯罪率の増加に起因していると考えられます。

<移民政策がうまくいかなくなるステップ>

    ①計画性のない急激な移民の受け入れによって、独立した移民者のコミュニティが誕生する。
    ②移民者のコミュニティに受入国は関与しない(できない)状況下のもと、受入国に同化しないまま移民者の子孫が育つ。
    ③受入国の景気の悪化などにより移民者が職を失う。受入国の公用語も話せず、文化も十分に知らないため新しい職を得ることができない。

 

具体的にドイツの移民政策を見てみよう!

例えば、ドイツの移民政策では次のようなことが起きました。

1970年代経済成長期、ドイツは労働力の不足をトルコ人移民に依存し、なし崩しに安い労働力を国内に入れました。

その結果ドイツ人とは一線を画したコミュニティがつくられ、景気が悪化した際にはドイツ語が話せない為に職に就けないトルコ人移民が増えたことで、犯罪率も上がってしまったのです。

現在ドイツはその教訓を踏まえて、移民がドイツ社会の一員となれるように、子供の頃から徹底してドイツ語を学ぶ機会を整備して、人種は違ってもドイツ国民として暮らしていくことを求める体制を築いています。

すなわち、移民を早期にドイツ社会に融合していくことで、社会問題を解決しようとしています。

よって日本においても移民政策を成功させるためには、キーワードとして「移民の日本人化」が重要となるでしょう。

移民の方々の文化を尊重する一方で、日本語の習得や、日本文化への理解を深める環境を整備することで、移民政策を進めていくことができると考えます。

 

何もしないで“逆ピラミッド”にしていいのか?

少子高齢化が進む日本は、現在年々、人口減少が加速しています。

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の調べ「日本の将来推計人口」によると、日本の総人口は2015年の1億2694万人から、2020年には1億1662万人、2048年には1億人を切って9913万人にまで減少すると言われています。

また総務省統計局の発表によると2015年9月15日の推計で高齢者人口は3384万人と総人口に占める割合が26.7%と過去最高で、80歳以上の人口が初めて1000万人を超えました。

2035年には80歳以上の人口が14.5%に達し、総人口で大きな割合を占めるようになり、
2060年には日本の人口は完全な「逆ピラミッド」になると言われています。

 

日本から世界のモデルとなる“移民政策”を発信しよう

このように総人口が減少し、超高齢社会が進行している日本において、経済力を維持する為にも、移民の受け入れは避けて通ることはできません。

移民問題に言及すると選挙に勝てないし支持率も低下する・・・といった政治的理由で、なかなか積極的に進められていない移民政策。

ポピュリズムに陥り移民政策の実行を放棄するのではいけません。
日本の未来のためにも、移民法の整備をはじめとする受け入れ体制の構築を積極的に進めて欲しいと思います。

 

新潮社フォーサイト 「移民論議」から逃げる安倍内閣が残す「大きなツケ」
http://blogos.com/article/96163/
参考 – blogos.com

日経Bizアカデミー 田原総一朗の政財界「ここだけの話」 
 労働力不足問題は待ったなし 安倍政権は移民法を整備すべきだ
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/100463/101400034/?P=1
参考 – nikkeibp.co.jp

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