え!?“減税”で新サッカースタジアムが建設!?~地域活性化の-“新しいカタチ”

え!?“減税”で新サッカースタジアムが建設!?~地域活性化の “新しいカタチ”

2016.02.16

西邑 拓真

西邑 拓真

HS政経塾・第4期生

 

新スタジアムが完成、今年の公式戦より使用開始

大阪府吹田市の万博記念公園内に、昨年9月、サッカー専用の新しいスタジアム「市立吹田サッカースタジアム」が建設され、今年の2月14日に、こけら落としとなる試合が開催されます。

今年からこのスタジアムは、Jリーグクラブ「ガンバ大阪」の新ホームスタジアムとして使用され、また、サッカーの国際試合などで使用されることになっています。

すべての観客席が屋根で覆われていたり、観客席からタッチラインまでの距離がわずか7mという臨場感を体験できるなど、サッカーの本場である欧州のスタジアムを彷彿とさせるデザインに、その特徴が表れています。

スタジアムの建設に関し、市からの要望が災害対策など最小限に留まり、デザインについては口出しをしなかったことで設計者や観戦者の声が十分反映され、こうした魅力あるスタジアムの設計に繋がったと言われています。

 

新たな資金調達法

このスタジアムが凄いのは、圧倒的な臨場感を感じられることだけではありません。その資金調達方法に大きな特徴があります。

なんと、この「市立」スタジアムの建設には、税金が全く使われていないのです。

実は、スタジアム建設費用の多くが、募金団体が集めた個人や法人による「寄付」によって賄われているのです。

また、完成後に募金団体が吹田市に寄贈し、その運営については「ガンバ大阪」が行う形となっていることから、ランニングコストも一切、市からの負担はありません。

 

カギとなった減税措置

多くの寄付を集める際、カギとなったのが「減税措置」です。

募金を開始する際、募金団体が国税庁と交渉、吹田市がそれを後押しし、寄付によって減税措置を受けることができる形を作ろうとします。

そして実際、「スタジアムへ寄付を行うことで、個人の場合、『ふるさと納税』制度によって所得税の減税措置を受けることができ、法人の場合も、寄付金は『損金』として扱われることで、納税額を低くすることができる」という、寄付する人のメリットが大きい減税の形を実現しました。

その結果、税金を使うことなく、建設費用140億円を賄うことに成功したのです。

 

“街の魅力”もアップ

現在、万博記念公園内の再開発が進められていますが、スタジアム以外にも、昨年11月には民間の大型商用施設 “EXPOCITY”がオープンし、話題を集めています。

この中で、サンケイリビング新聞社が“最も住み心地が良い市区”ランキングを発表し、万博記念公園のある吹田市がポイントを上げ、西宮市などを抑えて関西でトップの座となっています。

このように、全く税金を使うことなしに、いやむしろ“減税”によって、スタジアム建設が進みました。
そして、スタジアウムきっかけとなって、街の魅力を上げることに成功しているのです。

市と長期契約を結んでいるクラブの、スタジアムの周辺整備などを通じ、今後、街の更なる活性化が期待できます。

 

地域活性化のヒントを与えてくれた今回の事例

国や地方自治体の使命とは、国民の血税を最小限に抑えて、地域に提供するサービスを大いに向上させると共に、民間の力を最大限に生かすことであるはずです。

これを考えると、自治体が税金を使わず民間の力を最大限に生かすことで、魅力あるスタジアムの建設を実現した今回の吹田市の事例は、あらゆる地域における活性化のためのヒントを、

そして・・・
増税ではなく“減税”による、地域活性化の “新しいカタチ”と国を発展させるヒントを与えてくれたのかもしれません。

日経テクノロジーオンライン「吹田サッカースタジアム–公共施設の新しい作り方」
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/110300017/012100011/
参照 – techon.nikkeibp.co.jp/

サッカーキング「圧倒的に素晴らしい市立サッカースタジアムは、なぜ安価で建設できたのか?キーマンに聞く建設秘話」
http://www.soccer-king.jp/sk_column/article/395072.html
参照 – www.soccer-king.jp/

マイナビニュース「西宮、箕面も上位に–大阪府と兵庫県で “最も住み心地が良い市区”は?
http://news.mynavi.jp/news/2016/01/24/062/
参照 – news.mynavi.jp/

この記事を書いた人

西邑 拓真

西邑 拓真

HS政経塾・第4期生